演出家&良妻賢母★マルタ・ドミンゴ夫人 [その他]
そう云えば1997年に仏政府から[シュヴァリエ文化勲章]を授与された
マルタ夫人 (プラシド・ドミンゴ氏夫人) 文化の日に因んで蘇る記憶
当時 @ インタヴュを読んで以来 歌手と云うご自身のキャリアを離れ
良妻賢母:子育てしながらご主人の役柄を研究する内助の功に徹し加えて
演出家としてのキャリアを磨くと言う素晴らしい夫人に 個人的尊敬の念を
抱いて居る。
※ 97年1月 ワロニ・オペラ@リエージュに於ける ≪ 椿姫 ≫ 演出家として
仏政府から[ シュヴァリエ文化勲章 ]授与された当時の仏紙 インタヴュ[↓]
【 Marta Domingo 新演出 ≪ 椿姫 ≫ の演出家との出会い 】
ワシントン・オペラ、ヴェローナ・テアトロ・フィルハーモニコ
LAミュージックセンター・オペラ、ロイヤル・ワロニ・オペラ
上記劇場の共同制作 ≪ 椿姫 ≫ を演出
序文[ Marta Domingo:マルタ・ドミンゴ夫人の紹介 ]
メキシコに生まれ8歳から ピアノや絵画を習い始め 若い頃から音楽教育を
受けました。 メキシコ音楽院に入学してからは特に声楽を目指し取分け
モーツアルトやドイツ・リートに進みました。 夫との出会は其の頃です。
M(マルタ)夫人:我々は友人の一人 ヴァィオリ二ストの薦めでイスラエルに
赴きました。 この時の豊富な経験が 後に我々の成功をもたらせました。
3年間の滞在中:仕事は非常にハードで様々な演目を熟しました。
劇場の上演も絶間なく私達は 月に10~12回公演に出演しました。
この時期に 私はイタリアやフランスの作品等 多くのレパートリーを学び
ました。 その後 夫の仕事は国際的規模で 急速な発展を 遂げましたので
私は歌う事を辞めました。 既に二人の子供が居りそれだけでも充分な職業
でした。
この間 常に色々な勉強をしました。 先ず夫が演じる役柄として歴史的な
人物 (役柄) を探す事から始めました
又、多くの演出家に出会う機会にも 恵まれました。
何人かの監督とはその後 深い友情関係を築きました。 Corsaro (コルサロ):
Fagioni (ファジォニ):Zeffirelli (ゼフィレリ):Schlesinger (シュレシンゲー)
専門家の仕事を 注意深く観察する事が 可能だった私にとって 彼らは間接的に
素晴らしい師匠でした。
Q(質問):どの様な状況で オペラの舞台演出を手掛けられる決心をされた
のですか??
M夫人:≪ サムソンとダリラ ≫ です。 ポルト・リコのオペラ座支配人の
提案がきっかけで人生で初めて舞台演出を実現させました。 この初経験は
即座にセヴィリア万博:EXPO’92の開催に引継がれ ≪ トスカ ≫ を演出しました。
その後 94年LA ≪ リゴレット ≫ : ポルト・リコ ≪ セヴィリアの理髪師 ≫
95年独逸のボンでプッチーニの ≪ ロンディヌ ≫ この新演出は米国の数多の
オペラ座で公演を果たしました。
Q:貴女には観客間に視野の違いが見えますか??
M夫人:はい、例えばイタリア人は非常に情熱的ですが 独逸人は厳しく
常に教養を積んでいます。 独逸ではどんなに小さな町に至るまで毎晩
オペラ鑑賞が出来ます。
Q:オペラの演出家の質は何だと思いますか??
M夫人:偉大な想像力と創造的な空想力だと思いますが それだけでは
充分では有りません。 劇的で音楽的にも優れた作品を演出するには深く
掘下げた歴史的知識も絶対に不可欠です。
Q:貴女の演出した≪椿姫≫からその雰囲気を感じられると思いますか?
M夫人:はい ≪椿姫≫は時代が生出した作品で ≪ エレクトラ ≫ や
≪ ルル ≫ の様な普遍的な問題の象徴とは違うと思いますし この作品を
現代に置換き変える事は間違いだと思います。 我々の舞台は物語の中に
現代とのコントラストを主張しました。
例えば一幕で ヴィオレッタ・ヴァレリは高価な宝石を身に着けてますが
極シンプルなデザインです。 三幕目では派手で豪華な宝石に圧し潰されて
居ます。是は男爵がフローラの夜会に連れて行く時 露骨に彼の裕福さを
公然と見せ付けたかったのです。
我々はGiovanni Agostinucci:ジォヴァンニ アゴスティヌッチ氏と少数の
限られた仲間で 集められた情報を作品の中で因り表現する事を考慮して
仕事を進めました。
季節の流れに添って舞台を展開させ演技を繰広げて行きました。
一幕目は真夏で強烈な暑さを感じさせる庭園を設定。
衣装はパステルカラーの軽装にしました。
二幕目は高級な館であるにも拘らず湿気と冷気を醸す秋の雰囲気です。
三幕目 フローラの館で繰広げられる夜会の舞台装置は極めて豪華にしました。
其処は巴里でも一番高級な快楽の館だったと語られています。
幸運にも舞台&声楽 双方に於いて素晴らしいキャストに恵まれました。
Q:次に手掛けたい演出の作品名は?
M夫人:≪ カルメン ≫ ≪ セヴィリャの理髪師 ≫ を演出したいです。
他には シャルパンティエの ≪ ルイズ ≫ でも実際には女性が主役で重要な
作品は不得意です。 ロマンティックでポピュラーなオペラが好きです。
・・・・・・・・・・・・・・
常に優雅な物腰で ドミンゴ氏に寄添って居られる マルタ夫人。
インタヴュを読んだ当時から 夫人の高貴な存在を認識させられている。
妻であり:母であり:演出家と云う巧みに創造力を発揮出来るキャリア。
謙虚に自然体でファンと接するご夫妻。 二人三脚で世紀を揺るがす
ご活躍を続けられるエネルギーとたゆまぬ努力に改めて壮大さを感じ
惹き込まれる魅力 コロナ禍の中 まるで独りでオペラ界を背負って
居られる様なご活躍【音楽の守護人】に感謝
…‥…‥…‥…‥…‥
追記@2022年10月10日
上記 @ 1997年の初演から25年後の 2022年 09月19日
ROYAL OPERA HOUSE MUSCAT OMAN で再演された
マルタ ドミンゴ夫人演出[ 椿姫] ジョルジュ・ジェルモンを演じた
ドミンゴ氏と ご夫妻揃って舞台挨拶 天晴 マルタ夫人\(^o^)/
ヴィオレッタ:ニノ マシェゼ / アルフレッド:ヴィットリオ グリゴロ
美声伴う演技抜群 美男美女と云う最高の素晴らしいキャスト
美麗な歌唱が脳裏を過る
LA TRAVIATA
指揮;Gianpaolo Bisanti / 演出:Marta Domingo
Violetta : Nino Machaise / Gorge Germon : Placido Domingo
Alfredo Germon : Vittorio Grigolo
オマンと云う少々なじみの薄い国を訪れる一人旅は 二の足踏んだ。
このプログラムを観た時 残念ながら涙を飲んだ
マルタ夫人 (プラシド・ドミンゴ氏夫人) 文化の日に因んで蘇る記憶
当時 @ インタヴュを読んで以来 歌手と云うご自身のキャリアを離れ
良妻賢母:子育てしながらご主人の役柄を研究する内助の功に徹し加えて
演出家としてのキャリアを磨くと言う素晴らしい夫人に 個人的尊敬の念を
抱いて居る。
※ 97年1月 ワロニ・オペラ@リエージュに於ける ≪ 椿姫 ≫ 演出家として
仏政府から[ シュヴァリエ文化勲章 ]授与された当時の仏紙 インタヴュ[↓]
【 Marta Domingo 新演出 ≪ 椿姫 ≫ の演出家との出会い 】
ワシントン・オペラ、ヴェローナ・テアトロ・フィルハーモニコ
LAミュージックセンター・オペラ、ロイヤル・ワロニ・オペラ
上記劇場の共同制作 ≪ 椿姫 ≫ を演出
序文[ Marta Domingo:マルタ・ドミンゴ夫人の紹介 ]
メキシコに生まれ8歳から ピアノや絵画を習い始め 若い頃から音楽教育を
受けました。 メキシコ音楽院に入学してからは特に声楽を目指し取分け
モーツアルトやドイツ・リートに進みました。 夫との出会は其の頃です。
M(マルタ)夫人:我々は友人の一人 ヴァィオリ二ストの薦めでイスラエルに
赴きました。 この時の豊富な経験が 後に我々の成功をもたらせました。
3年間の滞在中:仕事は非常にハードで様々な演目を熟しました。
劇場の上演も絶間なく私達は 月に10~12回公演に出演しました。
この時期に 私はイタリアやフランスの作品等 多くのレパートリーを学び
ました。 その後 夫の仕事は国際的規模で 急速な発展を 遂げましたので
私は歌う事を辞めました。 既に二人の子供が居りそれだけでも充分な職業
でした。
この間 常に色々な勉強をしました。 先ず夫が演じる役柄として歴史的な
人物 (役柄) を探す事から始めました
又、多くの演出家に出会う機会にも 恵まれました。
何人かの監督とはその後 深い友情関係を築きました。 Corsaro (コルサロ):
Fagioni (ファジォニ):Zeffirelli (ゼフィレリ):Schlesinger (シュレシンゲー)
専門家の仕事を 注意深く観察する事が 可能だった私にとって 彼らは間接的に
素晴らしい師匠でした。
Q(質問):どの様な状況で オペラの舞台演出を手掛けられる決心をされた
のですか??
M夫人:≪ サムソンとダリラ ≫ です。 ポルト・リコのオペラ座支配人の
提案がきっかけで人生で初めて舞台演出を実現させました。 この初経験は
即座にセヴィリア万博:EXPO’92の開催に引継がれ ≪ トスカ ≫ を演出しました。
その後 94年LA ≪ リゴレット ≫ : ポルト・リコ ≪ セヴィリアの理髪師 ≫
95年独逸のボンでプッチーニの ≪ ロンディヌ ≫ この新演出は米国の数多の
オペラ座で公演を果たしました。
Q:貴女には観客間に視野の違いが見えますか??
M夫人:はい、例えばイタリア人は非常に情熱的ですが 独逸人は厳しく
常に教養を積んでいます。 独逸ではどんなに小さな町に至るまで毎晩
オペラ鑑賞が出来ます。
Q:オペラの演出家の質は何だと思いますか??
M夫人:偉大な想像力と創造的な空想力だと思いますが それだけでは
充分では有りません。 劇的で音楽的にも優れた作品を演出するには深く
掘下げた歴史的知識も絶対に不可欠です。
Q:貴女の演出した≪椿姫≫からその雰囲気を感じられると思いますか?
M夫人:はい ≪椿姫≫は時代が生出した作品で ≪ エレクトラ ≫ や
≪ ルル ≫ の様な普遍的な問題の象徴とは違うと思いますし この作品を
現代に置換き変える事は間違いだと思います。 我々の舞台は物語の中に
現代とのコントラストを主張しました。
例えば一幕で ヴィオレッタ・ヴァレリは高価な宝石を身に着けてますが
極シンプルなデザインです。 三幕目では派手で豪華な宝石に圧し潰されて
居ます。是は男爵がフローラの夜会に連れて行く時 露骨に彼の裕福さを
公然と見せ付けたかったのです。
我々はGiovanni Agostinucci:ジォヴァンニ アゴスティヌッチ氏と少数の
限られた仲間で 集められた情報を作品の中で因り表現する事を考慮して
仕事を進めました。
季節の流れに添って舞台を展開させ演技を繰広げて行きました。
一幕目は真夏で強烈な暑さを感じさせる庭園を設定。
衣装はパステルカラーの軽装にしました。
二幕目は高級な館であるにも拘らず湿気と冷気を醸す秋の雰囲気です。
三幕目 フローラの館で繰広げられる夜会の舞台装置は極めて豪華にしました。
其処は巴里でも一番高級な快楽の館だったと語られています。
幸運にも舞台&声楽 双方に於いて素晴らしいキャストに恵まれました。
Q:次に手掛けたい演出の作品名は?
M夫人:≪ カルメン ≫ ≪ セヴィリャの理髪師 ≫ を演出したいです。
他には シャルパンティエの ≪ ルイズ ≫ でも実際には女性が主役で重要な
作品は不得意です。 ロマンティックでポピュラーなオペラが好きです。
・・・・・・・・・・・・・・
常に優雅な物腰で ドミンゴ氏に寄添って居られる マルタ夫人。
インタヴュを読んだ当時から 夫人の高貴な存在を認識させられている。
妻であり:母であり:演出家と云う巧みに創造力を発揮出来るキャリア。
謙虚に自然体でファンと接するご夫妻。 二人三脚で世紀を揺るがす
ご活躍を続けられるエネルギーとたゆまぬ努力に改めて壮大さを感じ
惹き込まれる魅力 コロナ禍の中 まるで独りでオペラ界を背負って
居られる様なご活躍【音楽の守護人】に感謝
…‥…‥…‥…‥…‥
追記@2022年10月10日
上記 @ 1997年の初演から25年後の 2022年 09月19日
ROYAL OPERA HOUSE MUSCAT OMAN で再演された
マルタ ドミンゴ夫人演出[ 椿姫] ジョルジュ・ジェルモンを演じた
ドミンゴ氏と ご夫妻揃って舞台挨拶 天晴 マルタ夫人\(^o^)/
ヴィオレッタ:ニノ マシェゼ / アルフレッド:ヴィットリオ グリゴロ
美声伴う演技抜群 美男美女と云う最高の素晴らしいキャスト
美麗な歌唱が脳裏を過る
LA TRAVIATA
指揮;Gianpaolo Bisanti / 演出:Marta Domingo
Violetta : Nino Machaise / Gorge Germon : Placido Domingo
Alfredo Germon : Vittorio Grigolo
オマンと云う少々なじみの薄い国を訪れる一人旅は 二の足踏んだ。
このプログラムを観た時 残念ながら涙を飲んだ
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