幽霊船 Vs 彷徨えるオランダ人★ バスティユ~♪ [パリ.fr]

仏題 ≪ Le Vaisseau Fantom 幽霊船≫ Vs 邦題 ≪彷徨えるオランダ人≫
呼び名は違っても 幽霊船で彷徨うオランダ人で有る事に変りない(笑)
2000年初演の記憶が鮮明に刻み込まれた大好きな演出に陶酔[るんるん]

歌手陣もオランダ人としては 個人的に唯一無二のFalk Struckmann
ファルク・シュトルックマン 半端ないあのデビュは仏 ワグネリアンに
衝撃を与えた(*[目]*)当時 仏紙20社余りに絶賛された@ 画期的な
≪オランダ人≫ F.シュトルックマンは大成功を収めた。 仏にこれ程の
新聞が存在するのか??[メモ] と驚嘆[目]。。。あれから20年余り経て[船]

荒れ狂う荒波の激しさを表現する如く紺碧の濃淡:陰影でシンプルな舞台
錨を降ろす ロープ引く荒々しい船乗りの力強いコーラス 甲斐甲斐しく
指揮を執るダンディな ダラント船長: Gunther Groissbockグンター・
グロワスボック ご登場 まるでドラマに吸込まれる様な情景[目]

背後の紗幕に浮かび上がる不気味な幽霊船 時に荒波に浮かぶ船が
描かれた絵画に変わる背景 勇敢に現れた船長ダラント 存在感抜群[手(チョキ)] 
発せられる洗練された優美な声質:秘めたニュアンスの音色背筋に[雷]
電光が走る[雷] エレガントな容姿 渋いバスの響き 船長の衣装が
紺碧の舞台に溶け込んで居た[波][波] 

20年振り同じWilly Deckerウィリィ・デッケェ 演出 ≪オランダ人≫
Tomasz Konieczny トマツ・コニツェニィ 迫力の歌唱で威厳ある
オランダ人をご披露頂いた。 強敏な声質でワグナーには問題無いが
少なからず欠如するニュアンス? 音色に表情が無いと云う訳で 是また
個人嗜好から オランダ人が僅かながら霞む単調さも否めなかった。 

ゼンタ:Ricarda Merbeth リカルダ・メルべス 声量の有る美声を
奏でたが オランダ人 同様 魅力に欠けた感も否めない。 幸い
三者強烈な歌唱力 久々最高のワグナー公演を愉しませて頂いた[るんるん]

指揮者:Hannu Lintu ハンヌ・リントゥ 北欧 フィンランド 出身
オケピットから 激しいうねりの荒波を起こし 彷徨う幽霊船を操り
停泊させ オランダ人と ゼンタの恋の成就を期待(¶◎>[目]<◎¶)
買収された ダラントの計らいを見守る風な 強烈な荒波と対照的に
穏やかな情景も浮かび上がらせた[ドル袋][ドル袋]

エリック:Michael Weinius ミカエル・ヴェィニゥス 恋人ゼンタに
対し優しさに欠け 最初から最後迄 嫉妬に駆られた様な激しい口調
漂う歌唱 (笑 @ 個人的感想) 何か一人ドラマから抜けていた様な
感も否めなかった。 特に当初から独逸の軍服:ヒットラー風な衣装
イメージに賛否醸したが 演技も上から目線風で ゼンタに迫り
可愛げ無し(笑)

※K.F.フォクトのエリックは朗々とボーイソプラノの様な甘い美声を
奏で優し過ぎて 当時は少々物足りなさを感じた。トマス・モザーの
エリックは ゼンタに オランダ人への思慕を絶つよう懇願する如き
情感が籠って良かった[黒ハート](●>ε<●)[黒ハート]

※2000年の≪オランダ人≫ ゼンタは貫録の デボラ・ボイト &
オランダ人:ファルク・シュトルックマン/エリック:トマス・モザ-
少々影の薄い ダラントでは有ったが 迫力の画期的 ≪オランダ人≫
公演の成功は当然だった[手(チョキ)][指でOK][手(チョキ)]

[船][船][波]…LE VAISSEAU FANTOME…[船][船][波]

2021年10月12日 バスティユ ≪ 幽霊船≫
指揮:Hannu Lintu
演出:Willy Decker / 舞台装置&衣装:Wolfgang Gussmann
照明:Hans Toelstede / コーラスマスター:Ching-Lien Wu
Daland :Gunther Groissbock
Senta : Ricarda Merbeth / Mary :Agnes Zwierko
Der Hollander : Tomasz Konieczny
Erik : Michael Weinius / Der Steuermann : Thomas Atkins

余談になるが 今夏 ≪ オランダ人 ≫ 指揮でバイロイトデビュ果たした
初の女性指揮者 43歳のウクライナ出身:Oksana Lyniv オクサナ・
リニフは イタリア @ ボローニャ:テアトロ・コムナレ劇場の就任が
決まった。 叙情的なイタリア交響楽団の舵を取る最初の女性指揮者
[手(チョキ)] 天晴[モータースポーツ][手(パー)]

今年はバイロイト & 巴里で久々≪オランダ人≫ を続けて聴けて嬉しい
特に原作を尊重した 巴里の演出は 何回見ても大満足。 バイロイトの
お口直しと云うか お[目]直し こうして比べると個人的には相当酷く耐え
難かったバイロイト R.ワグナーに失礼では無いかと苦言を呈す(苦笑)

素晴らしい音楽 ビジュアル的にも心に響く演出 歌手陣全て揃って
初めて満足感が得られる。 観客無視の自己満足演出が増える現代
オペラ界 そろそろ支配人も集客出来る公演:演出を重視すべきだろう。

2000年代 モルティエがオペラ改革風な 風潮を創り出し原作を無視した
作品に 顧客は離れ 国の助成金も減り 苦難の繰返しに遭遇の各国 国立
劇場。ストに因る収益減も引き起し 知名度に頼る支配人が選ぶ演出家に
因る魅悪演出の悪循環。 巴里のアレクサンダー・ヌーフ 新オペラ座
支配人は しっかり見極めて観客の入る演出家を選ぶ事を祈る。

・・[波]・・・・・・・・・・[船]

≪ LE VAISSEAU FANTOME ≫ @ 巴里 バスティユ
2000年6月
指揮:James Conlon / 演出:Willy Decker 
Der Hollander :Falk Struckmann / Erik:Thomas Moser
Senta:Deborah Voigt / Daland:Jan-Hendrik Rootering

2010年9月
指揮:Peter Schneider / 演出:Willy Decker 
Daland:Matti Salminen / Senta:Adrianne Pieczonka
Der Hollander:James Morris / Erik:Klaus Florian Vogt

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